静的ストレッチのコツ

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こんにちは。UP Climbing Gym の店長の野村です。

なんだかんだでこのコラムもいよいよ4回目。ここまでは当初の予定通りで、本日のお題は静的ストレッチのコツ。

「静的ストレッチ?」という方もいるかもしれませんが、一般的なストレッチの事です。最近は動的ストレッチなんてものもあるので一応分けておきました。

さて、思えば姿勢の勉強を始める前の云十年、間違った方法でストレッチをやり続け、結果、たいして柔らかくならず、やり過ぎで時々筋肉を傷める悪循環。四十代にしてやっと正しいと確信できるやり方にたどり着きました。

ストレッチの本には、「伸ばす筋肉を意識して」とか、「深呼吸をしながら」とか、まあ色々書いてありますが、今回は店長式ストレッチのコツという事で。

 

まずは前回までのおさらいで、主動筋と拮抗筋を思い出して下さいね。

関節が動くためには筋肉が縮む必要があって、その縮む筋肉が主動筋。縮んだままだと不都合なので、あとで伸ばすための拮抗筋、基本ペアで存在しています。

つまり、ストレッチ=伸ばすためには拮抗筋を縮めることが必要ってことです。

で、細かい説明はあとにして、まずはコツを3つ。

その1 伸ばしたい筋肉ではなく、その反対側にある筋肉を縮める意識で行う!
その2 正しい姿勢で行う!
その3 ゆっくりと、かつ力ずくでは行わない!

どうもストレッチ本には「筋肉が伸びていることを意識して」などと書いてあることが多い気がするのですが、店長の場合、「意識する=力が入る」になるようで、伸ばしたい筋肉に縮もうとする力が働いて良くなかったようです。なので、その1の伸ばしたい筋肉ではなく、その裏側の筋肉を意識するのがポイントです。(拮抗筋が分かり難い時は逆の動きをしてみると分かりやすいのですが、逆の動きをすると拮抗筋と主動筋が入れ替わるので、逆の動きで縮んだ筋肉が拮抗筋という事になります。余計ややこしくなったかしら?)

そしてその2の正しい姿勢。これが一番大事なんですが、これが一番分かり難いんですよね。

出来るだけ簡単に書くと、筋肉は関節の上下(もしくは左右、前後)の骨に付着しているから、その関節が筋肉が縮んだ時に曲がるのですが、そもそも姿勢が良い姿勢になっていないと、100%の力が発揮できません。

そのため、悪い姿勢のままでストレッチを行うと、伸ばしたい筋肉がそもそも伸びないケースがあります。猫背だったり、骨盤の後傾だったり。元々筋肉がついている場所が正しい場所になければ、いくら伸ばそうと頑張ってみても結局は正しい場所にある時と比べると効果は低いですし、場合によっては無意味とさえ言えるかもしれません。

分かりやすいイメージだと、背中丸めて頭下げて前屈するのはアウトってことです。(だって、ハムストリングやひざの裏側を延ばすのに、頭だけ下げても、背中丸めても繋がってないから意味ないですよね。)

これだと、その3にも関連しますが、色んな場所に力が入って、力ずくで前屈しようとしている状態になっています。

正しい姿勢は、いずれこのコラムでもう少し深堀したいと思いますので、そちらをお待ちください。

 

そして、その3、他動にせよ、自動にせよ力ずくは逆効果。
筋肉と骨とを繋ぐ腱にはそれぞれ筋紡錘と腱紡錘(ゴルジ腱器官)という伸張を感知する受容器が存在しておりまして、筋紡錘は筋肉が急に伸ばされると縮む命令を、腱紡錘は筋肉縮み過ぎると緩める命令を出します。このため、力ずくでストレッチをすると筋肉は伸びずに逆に縮もうとしますし、スピードを速めてもやはり同様のことが起こります。

逆にゆっくりと伸ばしていき、もう伸びないポイントでキープしていると腱紡錘の働きでもう少し伸びていきます。

お陰様で店長も開脚して鼻が床に着くぐらいまでは出来るようになりました。ただし鼻を着けるまでには一分前後は必要ですけどね。

 

長々と書いてしまいましたが、皆さんもコツを頭の片隅に入れてストレッチしてみて下さいね。

それでは次回もお楽しみに!