筋肉は伸びない その2

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こんにちは。UP Climbing Gym の店長の野村です。

コラムの第3回目ということで、今回は前回の続きから。

 

前回は筋肉は単体では縮むだけって話で、片側に負荷が掛かり続けるとどうなるかという続きから今回は始めましょう。

 

当店はクライミングジムですので、当然お客様は皆さん登りに来られているわけですが、人によっては月に一日の方もいれば週に何日も来られる方もおります。

登った分だけ上手になりますし、筋力も付くのは間違いないので、クライミングにハマって上達したい方ほど頻度が増えるのはしょうがない事ですが、登らないと登れなくなるという強迫観念も一定水準以上の方がお持ちなのもまた事実。

 

ただ、超回復は一般的には48時間と言われていますから、三日も四日も続けて登ると回復も追いつかない状態ですよね、きっと。

そしてクライミングは指であれば握る動作、腕であれば引く(引き付ける)動作が多く、曲げるための主動筋に常に負荷をかけているという事になります。ちなみに拮抗筋にはあまり負荷は掛かっていないはずです。(降りる際は重力で腕も伸ばされてしまうため。)

 

主動筋
拮抗筋

左の図(ヒューマン・アナトミー・アトラス2019より引用)は参考までに載せておきますが、主動筋は上腕二頭筋、拮抗筋は上腕三頭筋で肘を曲げる屈曲動作の場合です。逆に伸ばす伸展動作では主動筋と拮抗筋は反対になります。

 

で、週に3日以上登っている方ほど思い当たると思いますが、指、手首、ひじ、肩のどこかに痛みが出てきたり。

 

原因は人それぞれ多少の差異はあるにせよ、片側の筋肉が使い過ぎで主動筋と拮抗筋の筋力バランスが崩れ、縮んだ状態から戻せない事が問題なんですね。慢性痛になってしまっている方に至っては、筋肉の拘縮が強くて腱にも炎症が起こり、ゴルフ肘のような状態になる方も。(先程の図で見ても分かりますが、関節を動かすために筋肉の付着部は関節をまたがってそれぞれ別の骨に付着しているため、肘などで痛みが出てしまいます。)

 

痛みが出てしまった場合には炎症の回復がまず大前提にはなりますが、普段のケアで気を付けるべきところは主動筋のストレッチと主動筋にばかり負荷がかかるスポーツをしている方は、拮抗筋もアンバランスにならないように鍛えておくことが、怪我の予防にもつながります。

お店の方でも「HAND X BAND」や「EXER-FLEX Power Putty」の様な拮抗筋のトレーニンググッズも置いてますので、気になる方はチェックしてみて下さい。

 

なお、何で読んだか失念しましたが、阿島ちゃんだったかアメリカのジュニアチームだったかはクールダウンで腕立て伏せを取り入れているとか。これ、他にどなたか聞いたことありますかね?

本当であれば、やっぱり拮抗筋にも負荷をかけるようなことを取り入れているという事なのですが。

 

それでは今回も長くなりましたが、この辺りで。

次回は関連してストレッチのコツをお題に書こうと思いますので、お楽しみに。

#クライミング #ボルダリング #姿勢 #身体 #ケア #ストレッチ